幹細胞治療の定義と仕組み、検討時に知っておきたいポイント
本記事では、幹細胞そのものの細かな分類ではなく、幹細胞治療の基本的な位置づけと流れ、知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。
※本記事では一般的な表現として「幹細胞治療」と記載しています。診療案内上は「幹細胞療法」と表記する場合があります。
この記事でわかること
- 幹細胞治療がどのような医療か
- 一般的な治療との違い
- 治療の基本的な流れと仕組み
- 検討時に確認したいポイント
幹細胞治療の定義と位置づけ
幹細胞治療は、再生医療の一分野として位置づけられます。薬の成分で直接作用させたり、手術で構造を変えたりする治療とは異なり、細胞を用いて体内環境や修復の過程に関わることが考えられている医療です。
主に患者自身の細胞を活用し、体内に戻すことで、体の反応や修復過程への関与が研究されています。一般的な治療との違いは、次のように整理できます。
- 薬のように特定成分が直接働く治療ではない
- 外科手術のように形を変える治療でもない
- 細胞を用いて体内の反応に関わることを目指す
幹細胞治療の基本的な仕組み
幹細胞治療は、採取した細胞を培養し、体内に戻す流れで行われるのが一般的です。重要なのは、戻した細胞が単純に置き換わるというより、周囲の環境に影響を与える働きも含めて理解することです。
一般的な流れは以下の通りです。
- 脂肪などから幹細胞を採取する
- 専用施設で細胞を培養・増殖させる
- 点滴や局所投与で体内へ戻す
体内に戻された幹細胞については、研究の中で次のような働きが示唆されています。
- 損傷や炎症のある部位に集まりやすい性質
- サイトカインなどの物質を分泌し、周囲の細胞に影響を与える働き
- 炎症反応の調整に関わる可能性
こうした反応の現れ方は、体の状態や治療目的によって一様ではありません。そのため、幹細胞治療は「仕組みを理解したうえで検討する治療」と考えることが大切です。
幹細胞治療について、さらに詳しく知りたい方へ
適応・適応外の考え方
期待値と効果判断のポイント
よくある疑問をまとめて確認
研究とエビデンスの見方
経過と個人差の考え方
治療内容や特徴については、 幹細胞療法の詳細ページ もご確認ください。
ES細胞・iPS細胞との違い
幹細胞治療は、ES細胞やiPS細胞と同じものではありません。再生医療の話題では混同されやすいため、ここは最初に整理しておくと理解しやすくなります。
幹細胞治療
主に患者自身の体から採取した体性幹細胞を用いる臨床医療
ES細胞
受精卵由来の細胞で、主に研究分野で扱われる
iPS細胞
人工的に作製される細胞で、研究や一部の先進医療で活用される
一般の医療機関で行われる幹細胞治療は、報道で紹介される研究段階の再生医療とは枠組みが異なる場合があります。ニュースで見た内容と、実際に受けられる医療は分けて理解することが大切です。
幹細胞治療が検討されるケース
幹細胞治療は、すべての人に広く当てはまる治療ではなく、一定の背景がある場合に選択肢として検討されます。
ただし、あらゆる症状に広く当てはまる治療として考えるのではなく、適応の見極めが前提になります。
検討のきっかけとしては、次のような例があります。
一方で、症状や状態によっては適さないこともあります。具体的な適応や期待できる範囲は、診察の中で個別に確認することが重要です。
自由診療としての特徴
幹細胞治療の多くは自由診療で行われます。治療内容だけでなく、費用や提供体制も含めて確認することが欠かせません。
事前に見ておきたい点は、主に次の通りです。
また、医療行為である以上、採取や投与に伴う身体的負担、一時的な体調変化、感染などの一般的な医療リスクについても理解しておく必要があります。内容や流れに納得できるかどうかを含めて、事前に十分な説明を受けることが大切です。
幹細胞治療を理解するためのポイント
幹細胞治療は、再生医療の一つとして位置づけられる治療です。仕組みや自由診療としての特徴を整理しておくと、情報を受け取る際に混乱しにくくなります。
押さえておきたいポイントは以下の通りです。
まとめ
幹細胞治療は、細胞を活用して体内の修復や回復の過程への関与が研究されている再生医療の一つです。従来の薬物療法や手術とは考え方が異なるため、治療の仕組みと位置づけを先に理解しておくことが大切です。
また、自由診療として提供されることが多いため、治療内容だけでなく、費用、リスク、説明体制まで含めて確認しながら検討することが望まれます。
N2クリニック銀座本院では、厚生労働省に届出された再生医療等提供医療機関として、一定の基準に基づいた再生医療を提供しています。治療の適応や内容は、診察のうえで医師が個別に判断し、必要な説明を行っています。
詳細な治療内容や費用、適応については、診療案内や診察時の説明を通じて確認することが大切です。
クリニック案内
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監修クリニック情報
N2クリニック銀座本院
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休診日:日曜日
最寄駅:各線銀座駅B5番出口より徒歩4分
記事監修者名
竹島 昌栄(N2クリニック銀座本院 院長)
参考文献
- 厚生労働省「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」
- Trounson A, McDonald C. Stem Cell Therapies in Clinical Trials. Cell Stem Cell, 2015
- Caplan AI. Mesenchymal Stem Cells: Time to Change the Name. Stem Cells Translational Medicine, 2017
- 日本再生医療学会 公開情報
