こんにちは、N2クリニック本院銀座です。なんとなく「だるい・眠れない・動悸がする・胃腸の調子が悪い」などが続くと、“自律神経の乱れかも?”と不安になりますよね。今日は「自律神経の乱れに対する幹細胞(主にMSC:間葉系幹細胞)のアプローチ」について、患者様の疑問に沿ってお話しします。
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患者様:「自律神経が乱れてる気がして…。幹細胞で整うって聞いたんですが、本当ですか?」
医師:「まず大事な前提からお伝えしますね。いまの医学では、いわゆる“自律神経の乱れ”そのものに対して、幹細胞治療が標準治療として確立しているわけではありません。ただし研究領域としては、自律神経と免疫(炎症)のつながりに注目して、MSCが関与しうる可能性が議論されています。」
看護師:「患者様がよく訴えられる“自律神経の不調っぽい症状”って、原因が1つじゃないことが多いんです。だからこそ、先に“整理”が大切です。」
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1) 「自律神経の乱れ」って、実際には何が起きているの?
患者様:「そもそも自律神経が乱れるって、どういう状態なんですか?」
医師:「自律神経は、心拍・血圧・体温・胃腸の動き・発汗などを無意識に調整する仕組みです。乱れと感じる背景には、たとえばこんな要素が絡むことがあります。」
• 慢性的ストレス、睡眠不足、過労
• 痛み(肩こり・頭痛・慢性疼痛)
• 胃腸炎症、感染後の体調不良
• ホルモン変動(更年期など)
• 自己免疫・炎症体質
• 起立性調節障害/POTSなど“自律神経機能障害”の病態
• 甲状腺疾患、貧血、心疾患、不整脈など別疾患の見落とし
看護師:「“自律神経”って言葉で片付けられがちですが、危険な病気が隠れていないかを先にチェックするのが安心です。」
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2) 幹細胞(MSC)は「自律神経」にどう関わり得るの?
患者様:「幹細胞って、神経に直接効くんですか?」
医師:「ここが誤解されやすいところです。MSC(間葉系幹細胞)は、いわゆる“置き換わって治す”というより、研究では主に分泌物(サイトカイン、成長因子、エクソソーム等)による免疫調整・炎症調整が注目されています。神経そのものというより、神経と免疫のクロストークに介入しうる、という考え方ですね。」(引用元:Akinyemi, Trends Immunol, 2024) 
患者様:「神経と免疫って関係あるんですか?」
医師:「あります。たとえば“迷走神経(副交感神経)”は、炎症を抑える方向に働く経路(コリン作動性抗炎症経路)が知られています。自律神経の状態は、炎症や痛み、睡眠にも影響し得ます。」(引用元:Liu, Front Immunol/Review, 2024 など) 
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3) 研究として「自律神経の指標(HRVなど)」が変化した報告はある?
患者様:「“整った”って、どう測るんですか?」
医師:「研究では、心拍のゆらぎ(HRV:Heart Rate Variability)を“自律神経バランスの一指標”として使うことがあります。動物・心疾患モデルなどで、MSC投与後にHRVの改善を示した報告があり、自律神経系の指標に変化が出る可能性は示唆されています。」(引用元:de Morais, Stem Cell Res Ther, 2015) 
※ただし、これは“自律神経の不調を治療する目的の確立した臨床エビデンス”とは別物で、解釈は慎重に行う必要があります。
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4) 「自律神経機能障害(dysautonomia)」に幹細胞を使った報告は?
患者様:「じゃあ、自律神経の病気そのものに使った例はありますか?」
医師:「非常に限定的ですが、自己免疫疾患を伴うdysautonomiaの患者さんに対する脂肪由来幹細胞(ASC)の症例報告はあります。ただ、症例報告は人数が少なく、比較対照もないため、効果を断定できません。」(引用元:Numan, Stem Cells Dev, 2017) 
看護師:「ネットやSNSだと“効いた”体験談が目立ちますが、体験談は体調の波や併用療法の影響も受けやすいので、医学的には段階の低い根拠として扱われます。」
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5) 期待が集まるポイントと、現実的な限界
患者様:「じゃあ、期待できるのはどんな人ですか?」
医師:「“自律神経の乱れ”という言葉の中に、炎症・免疫の偏り、痛み、睡眠の悪化が強く関わっている場合、MSC研究の文脈(免疫調整、抗炎症)と方向性が重なることがあります。神経痛や神経炎症へのMSC研究も増えています。」(引用元:Joshi, Int J Mol Sci, 2021/Wijayanti, 2024) 
医師:「一方で限界も明確です。」
• “自律神経の乱れ”は原因が多様で、MSCが効くとは限らない
• 最適な細胞の種類・投与法・回数・評価法が確立していない領域が多い
• 併用(睡眠・栄養・運動・薬)を整えないと、効果判定が難しい
• そもそも別疾患(甲状腺、貧血、不整脈、感染後症候群など)の精査が先
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6) 患者様が今日からできる「自律神経ケア」と、医療での確認ポイント
患者様:「じゃあ私は何をしたら…?」
看護師:「まずは“土台づくり”が一番効きます。特に次の3つは、HRV(自律神経指標)の面でも重要になりやすいです。」
• 睡眠:起床時刻を固定、就寝90分前の強い光・スマホを控える
• 血糖の波を減らす:朝食のたんぱく質、カフェインの時間を見直す
• 呼吸・体温:ゆっくり長い呼気、入浴や軽い散歩で末梢循環を上げる
医師:「医療的には、次の“赤旗”があるときは早めの受診が安全です。」
• 失神、強い胸痛、息切れ、脈の乱れがはっきり
• 体重減少、発熱、夜間の強い発汗
• 立位で極端に悪化(強い起立性症状)
• しびれ・筋力低下など神経症状が進行
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7) N2クリニックでの考え方(大切にしている順番)
患者様:「幹細胞を検討するなら、どこを見ればいいですか?」
医師:「当院では、最初から“幹細胞ありき”にはしません。患者様の症状を、①原因の切り分け → ②炎症・免疫・生活因子の整理 → ③適応の慎重検討の順で考えます。治療の全体像はクリニックHPhttps://n2clinic-ginza.com/ にもまとめています。」
看護師:「幹細胞治療については、こちらのページhttps://n2clinic-ginza.com/stemcell で“何が分かっていて、何がまだ研究段階か”を丁寧に整理しています。免疫の治療が関係するケースは、免疫細胞療法https://n2clinic-ginza.com/immunecell も一緒に比較して考えることがあります。」
医師:「当院については、Abouthttps://n2clinic-ginza.com/about 、医師紹介https://n2clinic-ginza.com/doctor 、よくある質問https://n2clinic-ginza.com/faq もご覧いただくと、体制がイメージしやすいと思います。ご相談は予約ページhttps://n2clinic-ginza.com/reserve 、または問い合わせhttps://n2clinic-ginza.com/inquiry からどうぞ。」
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N2クリニックの再生医療提供体制について
N2クリニック銀座は、厚生労働省に正式に届出された「再生医療等提供計画番号」を取得している医療機関です。
また、徹底した品質管理のもと、再生医療を専門に扱う医師が在籍し、20年以上の研究実績を踏まえて安全性と妥当性を重視した医療提供を行っています。
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【監修クリニック・アクセス情報】
N2クリニック銀座本院
住所:東京都中央区銀座6丁目6-5 HULIC &New GINZA NAMIKI6 11階
TEL:03-3289-0202
診療時間:10:00~18:30
休診日:日曜日
最寄駅:各線銀座駅B5番出口より徒歩4分
【記事監修】井上将之(N2クリニック銀座本院)
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引用文献・根拠(文末まとめ)
• (引用元:de Morais SDBV, Stem Cell Research & Therapy, 2015)MSCが心疾患モデルでHRVなど自律神経指標に影響しうる報告。 
• (引用元:Numan MT, Stem Cells and Development, 2017)自己免疫疾患を伴うdysautonomiaで脂肪由来幹細胞(ASC)を用いた症例報告。 
• (引用元:Akinyemi DE, Trends in Immunology, 2024)神経‐免疫クロストーク(神経系と炎症・免疫の相互作用)の総説。 
• (引用元:Liu FJ, 2024 Review)迷走神経刺激と抗炎症経路など、神経‐炎症制御に関する総説。 
• (引用元:Joshi HP, International Journal of Molecular Sciences, 2021/Wijayanti IAS, 2024)神経炎症・疼痛領域での幹細胞研究に関する総説・レビュー。 
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患者様:「自律神経が乱れてる気がして…。幹細胞で整うって聞いたんですが、本当ですか?」
医師:「まず大事な前提からお伝えしますね。いまの医学では、いわゆる“自律神経の乱れ”そのものに対して、幹細胞治療が標準治療として確立しているわけではありません。ただし研究領域としては、自律神経と免疫(炎症)のつながりに注目して、MSCが関与しうる可能性が議論されています。」
看護師:「患者様がよく訴えられる“自律神経の不調っぽい症状”って、原因が1つじゃないことが多いんです。だからこそ、先に“整理”が大切です。」
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1) 「自律神経の乱れ」って、実際には何が起きているの?
患者様:「そもそも自律神経が乱れるって、どういう状態なんですか?」
医師:「自律神経は、心拍・血圧・体温・胃腸の動き・発汗などを無意識に調整する仕組みです。乱れと感じる背景には、たとえばこんな要素が絡むことがあります。」
• 慢性的ストレス、睡眠不足、過労
• 痛み(肩こり・頭痛・慢性疼痛)
• 胃腸炎症、感染後の体調不良
• ホルモン変動(更年期など)
• 自己免疫・炎症体質
• 起立性調節障害/POTSなど“自律神経機能障害”の病態
• 甲状腺疾患、貧血、心疾患、不整脈など別疾患の見落とし
看護師:「“自律神経”って言葉で片付けられがちですが、危険な病気が隠れていないかを先にチェックするのが安心です。」
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2) 幹細胞(MSC)は「自律神経」にどう関わり得るの?
患者様:「幹細胞って、神経に直接効くんですか?」
医師:「ここが誤解されやすいところです。MSC(間葉系幹細胞)は、いわゆる“置き換わって治す”というより、研究では主に分泌物(サイトカイン、成長因子、エクソソーム等)による免疫調整・炎症調整が注目されています。神経そのものというより、神経と免疫のクロストークに介入しうる、という考え方ですね。」(引用元:Akinyemi, Trends Immunol, 2024) 
患者様:「神経と免疫って関係あるんですか?」
医師:「あります。たとえば“迷走神経(副交感神経)”は、炎症を抑える方向に働く経路(コリン作動性抗炎症経路)が知られています。自律神経の状態は、炎症や痛み、睡眠にも影響し得ます。」(引用元:Liu, Front Immunol/Review, 2024 など) 
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3) 研究として「自律神経の指標(HRVなど)」が変化した報告はある?
患者様:「“整った”って、どう測るんですか?」
医師:「研究では、心拍のゆらぎ(HRV:Heart Rate Variability)を“自律神経バランスの一指標”として使うことがあります。動物・心疾患モデルなどで、MSC投与後にHRVの改善を示した報告があり、自律神経系の指標に変化が出る可能性は示唆されています。」(引用元:de Morais, Stem Cell Res Ther, 2015) 
※ただし、これは“自律神経の不調を治療する目的の確立した臨床エビデンス”とは別物で、解釈は慎重に行う必要があります。
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4) 「自律神経機能障害(dysautonomia)」に幹細胞を使った報告は?
患者様:「じゃあ、自律神経の病気そのものに使った例はありますか?」
医師:「非常に限定的ですが、自己免疫疾患を伴うdysautonomiaの患者さんに対する脂肪由来幹細胞(ASC)の症例報告はあります。ただ、症例報告は人数が少なく、比較対照もないため、効果を断定できません。」(引用元:Numan, Stem Cells Dev, 2017) 
看護師:「ネットやSNSだと“効いた”体験談が目立ちますが、体験談は体調の波や併用療法の影響も受けやすいので、医学的には段階の低い根拠として扱われます。」
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5) 期待が集まるポイントと、現実的な限界
患者様:「じゃあ、期待できるのはどんな人ですか?」
医師:「“自律神経の乱れ”という言葉の中に、炎症・免疫の偏り、痛み、睡眠の悪化が強く関わっている場合、MSC研究の文脈(免疫調整、抗炎症)と方向性が重なることがあります。神経痛や神経炎症へのMSC研究も増えています。」(引用元:Joshi, Int J Mol Sci, 2021/Wijayanti, 2024) 
医師:「一方で限界も明確です。」
• “自律神経の乱れ”は原因が多様で、MSCが効くとは限らない
• 最適な細胞の種類・投与法・回数・評価法が確立していない領域が多い
• 併用(睡眠・栄養・運動・薬)を整えないと、効果判定が難しい
• そもそも別疾患(甲状腺、貧血、不整脈、感染後症候群など)の精査が先
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6) 患者様が今日からできる「自律神経ケア」と、医療での確認ポイント
患者様:「じゃあ私は何をしたら…?」
看護師:「まずは“土台づくり”が一番効きます。特に次の3つは、HRV(自律神経指標)の面でも重要になりやすいです。」
• 睡眠:起床時刻を固定、就寝90分前の強い光・スマホを控える
• 血糖の波を減らす:朝食のたんぱく質、カフェインの時間を見直す
• 呼吸・体温:ゆっくり長い呼気、入浴や軽い散歩で末梢循環を上げる
医師:「医療的には、次の“赤旗”があるときは早めの受診が安全です。」
• 失神、強い胸痛、息切れ、脈の乱れがはっきり
• 体重減少、発熱、夜間の強い発汗
• 立位で極端に悪化(強い起立性症状)
• しびれ・筋力低下など神経症状が進行
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7) N2クリニックでの考え方(大切にしている順番)
患者様:「幹細胞を検討するなら、どこを見ればいいですか?」
医師:「当院では、最初から“幹細胞ありき”にはしません。患者様の症状を、①原因の切り分け → ②炎症・免疫・生活因子の整理 → ③適応の慎重検討の順で考えます。治療の全体像はクリニックHPhttps://n2clinic-ginza.com/ にもまとめています。」
看護師:「幹細胞治療については、こちらのページhttps://n2clinic-ginza.com/stemcell で“何が分かっていて、何がまだ研究段階か”を丁寧に整理しています。免疫の治療が関係するケースは、免疫細胞療法https://n2clinic-ginza.com/immunecell も一緒に比較して考えることがあります。」
医師:「当院については、Abouthttps://n2clinic-ginza.com/about 、医師紹介https://n2clinic-ginza.com/doctor 、よくある質問https://n2clinic-ginza.com/faq もご覧いただくと、体制がイメージしやすいと思います。ご相談は予約ページhttps://n2clinic-ginza.com/reserve 、または問い合わせhttps://n2clinic-ginza.com/inquiry からどうぞ。」
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N2クリニックの再生医療提供体制について
N2クリニック銀座は、厚生労働省に正式に届出された「再生医療等提供計画番号」を取得している医療機関です。
また、徹底した品質管理のもと、再生医療を専門に扱う医師が在籍し、20年以上の研究実績を踏まえて安全性と妥当性を重視した医療提供を行っています。
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【監修クリニック・アクセス情報】
N2クリニック銀座本院
住所:東京都中央区銀座6丁目6-5 HULIC &New GINZA NAMIKI6 11階
TEL:03-3289-0202
診療時間:10:00~18:30
休診日:日曜日
最寄駅:各線銀座駅B5番出口より徒歩4分
【記事監修】井上将之(N2クリニック銀座本院)
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引用文献・根拠(文末まとめ)
• (引用元:de Morais SDBV, Stem Cell Research & Therapy, 2015)MSCが心疾患モデルでHRVなど自律神経指標に影響しうる報告。 
• (引用元:Numan MT, Stem Cells and Development, 2017)自己免疫疾患を伴うdysautonomiaで脂肪由来幹細胞(ASC)を用いた症例報告。 
• (引用元:Akinyemi DE, Trends in Immunology, 2024)神経‐免疫クロストーク(神経系と炎症・免疫の相互作用)の総説。 
• (引用元:Liu FJ, 2024 Review)迷走神経刺激と抗炎症経路など、神経‐炎症制御に関する総説。 
• (引用元:Joshi HP, International Journal of Molecular Sciences, 2021/Wijayanti IAS, 2024)神経炎症・疼痛領域での幹細胞研究に関する総説・レビュー。 
