こんにちは、N2 CLINIC クリニックです。
皆様に再生医療について、少しでも知っていただきたく、今回よりコラムを始めました。
第一回目のテーマは再生医療の免許について、です。
最近、「エクソソーム」や「幹細胞を使った治療」が再生医療としていろいろなところで紹介されていますよね。「最先端でなんだか難しそう…」「それって本当なの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実はこの分野には、医療行為の内容や細胞操作の複雑さに応じて「第1種」「第2種」「第3種」と3つの区分が設けられています。
「えっ、3種類もあるんですか?」「どうやって分かれているの?」など疑問を持たれる方も多いと思います。今回はどのような点を基準に分類が決められているのかについて、わかりやすく解説します。
1. 再生医療が3つに分かれるのはなぜ?
日本には「再生医療等安全性確保法」という法律があり、幹細胞などを用いた治療を行う際には、国への届け出や専門家による審査を経る必要があります。
その際、治療方法が「どれぐらい複雑で、どんな可能性(効果や作用)があり、またどれぐらい注意して進める必要があるか」を総合的に判断し、3つに分類しているのです。
この分類には、次のような要素が含まれます。
• 細胞の操作や培養:幹細胞を長期間増やすのか、軽い処理だけで使うのか
• 細胞の種類や由来:患者さん自身の細胞なのか、他人の細胞なのか
• 治療の目的・適応:重い病気を対象にした高度医療か、比較的負担が少ない症状への治療か
• 安全性や有効性の確認状況:臨床研究データがどれくらい集まっているか
つまり“どれほど高度な操作をするか”“体への負担がどの程度ありそうか”など、いろいろな観点が含まれているというわけです。
2. 第1種・第2種・第3種の違い
簡単にまとめると、以下のように考えるとわかりやすいかもしれません。
1. 第1種再生医療等
• 細胞の操作が非常に高度、あるいは学術的にまだ十分な知見が蓄積されていない
• 例えば、iPS細胞を使った治療などがこれに該当
• 国の厳格な審査・認可が必要で、実施施設はまだ限られている
2. 第2種再生医療等
• ある程度、細胞を培養したり加工する場合や、比較的新しい方法で、より専門的な管理が必要なケース
• 当院のように、幹細胞をしっかり増やしてから注入・移植する治療などが代表例
• 治療のポテンシャルも高いが、手技や管理が複雑で厳格なプロセスを踏むため、国の認可が必要
3. 第3種再生医療等
• 比較的シンプルな細胞操作が中心で、患者さんへの負担が少ないと想定される治療
• PRP(多血小板血漿)を抽出して注入する方法や、一部のエクソソーム療法などがよくここに当てはまります
こうして見ると、「操作の複雑さ」「これまでに蓄積されたデータや技術」といった視点も大きいことがお分かりいただけると思います。
3. 当院が第2種である理由
当院の場合は、細胞を増やす(培養する)プロセスが加わる治療を提供していることが多いため、第2種再生医療に当てはまります。
• 幹細胞を培養・加工することで、より高い修復力や再生能力が期待できる場合があります
• しかし、そのぶん厳密な検査や安全管理が必要になります
私たちは、このプロセスを丁寧に行い、細胞の品質や安全性を担保できるよう、しっかりしたラボ環境と専門スタッフを整えています。
そして、国が定める手続きに従い、認定された委員会の審査を通過してから厚生労働省に届け出を行い、正式な「計画番号」を得たうえで治療にあたっています。
4. 第2種と第3種はどちらが良いの?
• 第2種の治療は、細胞の増殖や加工による可能性を大きく引き出す反面、プロセスが複雑でコストもかかります
• 第3種の治療は、シンプルな分だけ体の負担が小さいことが多く、通院回数や費用も抑えやすい場合があります
ですから、どちらが「絶対に優れている」とは言い切れません。患者さまの病状やご希望によって、合う方法は変わってきます。
ただ、幹細胞をしっかり増やして使うタイプの治療を検討されているのであれば、「第2種再生医療を行っている」クリニックかどうかをチェックしてみるとよいでしょう。
5. まとめ
• 再生医療はリスクだけでなく、細胞操作の複雑さや治療の仕組みなどを総合的に考えて3つに分類される
• 第2種は、幹細胞を培養したり高度な管理が必要なため、専門スタッフやラボ体制が整った医療機関で提供される
• 第3種は、シンプルな処理が中心で、身体への負担を抑えやすい一方、培養などの工程は少ない(or行わない)
• 当院では、より高度な幹細胞の培養技術を活用するため、第2種としての認定を受け、しっかりとした安全管理と実績を積み上げています
当院の治療がどのように進むのか、ご自分の症状に合うかどうかなど、気になる点があればぜひお気軽にご相談ください。丁寧にカウンセリングさせていただきます。
【ご注意】
• 本記事は、再生医療等安全性確保法や関連ガイドラインに基づき、一般的に解説したものです。
• 実際の治療方針や適応判断は個人によって異なるため、必ず医師に直接ご相談ください。
• “第2種だから良い” “第3種だから手軽で安全” という単純な意味ではなく、それぞれにメリット・デメリットがあります。当院では患者さま一人ひとりの状況に合わせてご提案しています。
今後も皆さまが安心して再生医療を検討していただけるよう、最新情報をわかりやすくお届けいたします。最後までお読みいただき、ありがとうございました。