1. 幹細胞培養上清とは?
「幹細胞培養上清(かんさいぼう ばいよう じょうせい)」とは、幹細胞を培養した際に細胞そのものを除いた抽出エキス(分泌液)のことです。
この中には細胞が生み出した美容に有益な成分=サイトカイン・成長因子・エクソソーム・アミノ酸・コラーゲン産生誘導物質などが豊富に含まれており、肌細胞同士のコミュニケーションや再生シグナルを促進させる働きが期待されています。
再生医療領域の研究で培われた技術が美容分野にも応用されるようになり、特にエイジングケア・肌再生・毛髪ケアにおいて世界的に注目されています。
⸻
2. 培養上清に含まれる美容活性成分の役割
• 成長因子(GF):線維芽細胞の活性化、コラーゲンやヒアルロン酸の生成促進をサポート
• サイトカイン:炎症抑制、細胞修復シグナルの伝達、肌の赤み・くすみ改善の土台作り
• エクソソーム:細胞間情報を運ぶナノサイズの伝達物質。ハリやツヤのある肌の形成をサポート
• アミノ酸/ビタミン/ペプチド:肌バリア機能の補助、保湿保持力のサポート、タンパク質生成の材料に
これらが複合的に働くことで「肌を作る」「炎症を整える」「細胞の指令を再活性化させる」機能が同時に期待できるのが培養上清の強みです。
⸻
3. 期待される主な美容効果
✅ 1)肌のハリと弾力UP
加齢とともに活動が低下する線維芽細胞(コラーゲン生成の司令塔)を活性化し、肌内部のコラーゲン産生をサポート。
結果としてたるみ改善・毛穴引き締め・ほうれい線の印象ダウンが期待できます。
✅ 2)慢性炎症の抑制
サイトカインの働きで過剰な炎症シグナルをクールダウン。
ニキビ後の赤み、敏感乾燥、季節の肌揺らぎの安定に寄与する可能性があります。
✅ 3)保湿力と肌バリア機能の強化
肌の水分保持に関わる成分生成のサポートや、タンパク質構築の材料補給により、乾燥脱皮をしにくい強い肌の形成をサポート。
カラーの発色にも“実は”土台作りで応用されています(※美容とヘアは皮膚と毛髪の基礎構造が同じタンパク質で構築されているため)。
✅ 4)くすみ・シミ・色ムラ改善のサポート
過炎症のリセットにより、メラニン産生シグナルを整え、ターンオーバーの正常化と透明感ある肌の土台作りに働きかけます。
直接シミを消すのではなく「シミができやすい環境を作らせない」方向のケアです。
✅ 5)毛髪/頭皮ケア
頭皮も皮膚。
培養上清は頭皮の血流改善・毛根周囲の炎症抑制・毛母細胞の活性化シグナルを促す可能性があり、
結果として薄毛・抜け毛・毛髪の細り予防のサポートとしても人気があります。
⸻
4. PRP・幹細胞治療との違い
施術 役割 特徴
PRP(血小板治療) 自己血を使い成長因子を抽出 即効寄り/個体差あり
幹細胞治療 生きた幹細胞を投与して分化させる 再生の根本治療
培養上清 細胞そのものを使わず分泌美容因子だけ導入 炎症抑制 × 再生シグナル × ダウンタイム最小で美容特化
培養上清は細胞ではないため**ダウンタイムが小さくリスクも低い反面、根本治療ではなく“美容の土台作りと活性化”**がメイン。
だからこそ、ハリ・ツヤ・肌の調子・毛髪のコシなど、「見た目の質」に直結しやすい効果が複合的に期待されています。
⸻
5. どんな人に向いている?
✔ ダウンタイムなしでツヤとハリだけ欲しい
✔ 赤み・ニキビ跡をなんとかしたい
✔ 最近、肌が薄い・乾く・揺らぐ・メイクが乗らない
✔ 髪のボリュームが減った・細くなった気がする
✔ エイジングを予防しながら“育てたい”
⸻
6. まとめ
「幹細胞は治す、培養上清は育てる」
その中間に位置するのが今の美容市場での培養上清の価値です。
肌も髪も年齢を重ねると“指令が鈍る”だけでなく“炎症スイッチが消えなくなる”。
これを同時に整え、再生方向へ導こうとするのが培養上清によるアプローチ。
最新の美容は、単に色を“乗せる”のではなく、色もツヤもハリも乗る“土台(ベース)”を作り込む時代へ進化しています。
⸻
- - - - - - - - - - - - - - -
【監修クリニック・アクセス情報】
住所:東京都中央区銀座6丁目6-5
HULIC &New GINZA NAMIKI6 11階
TEL:03-3289-0202
診療時間:10:00~18:30
休診日:日曜日
最寄駅
各線銀座駅B5番出口より徒歩4分
- - - - - - - - - - - - - - -
【記事監修】井上将之(N2クリニック銀座本院)
